本記事では社内SEはやめとけと言われる理由やその対処法を紹介しています。
社内SEへの転職・就職を検討している人は社内SEの悪い点をぜひ事前にご確認ください。
特に社内SEは楽という印象があるようですが、環境次第です。
レガシーなシステムを運用している場合は常に保守の心配がついて周り、SIerのように逃げることはできません。
また、社内SEの立場が弱い企業の場合は予算が出づらく評価もされにくいでしょう。
実際、筆者が社内SEのとき、とてつもなく大変で精神的負担が大きく精神を病んで3か月で退職しました。
ぜひ最後までご覧ください。
なぜ「社内SEはやめとけ」と言われるのか?理由を解説
「社内SEやめとけ」と言われる理由を筆者の体験談もあわせて紹介していきます。
社内SEの仕事内容は企業規模に応じて大きく変わってくるため、前半は中小企業に多い理由を紹介し、後半は大企業に多い理由を紹介していきます。
社内SEへの転職を失敗しないように事前にご確認ください。
社内SEをやめておいたほうがいい理由1:丸投げで仕事がきつい
社内SEは仕事を丸投げされるため、やめとけと言われる理由の1つとなっています。
特に社内SEへの仕事丸投げは中小企業に多く、「いつまでに誰が何を」といった詳細がなく指示がきます。
例えば筆者の前職は社内回線調整業務でよく上司から「社内回線調整のよろしく」と丸投げされていました。
よろしくと一言で言われても、社内調整と予算作りと稟議書の回覧とベンダーへの見積もりなどやることが多くて非常に大変です。
ITエンジニアとしての幅広い技術力や企業における重要度を推し量りながらゴール設定やコミュニケーションをすることが求められます。
結果、私は疲弊しながらただ目の前の業務をこなしていました。
このように社内SEは仕事が丸投げになることが多いためやめとけと言われる理由の1つとなっています。
社内SEをやめておいたほうがいい理由2:スキルアップが見込めない
社内SEをやめとけと言われる理由の1つに定形業務が多く、スキルアップする機会が少ないケースがあるためです。
その結果、経験年数の割にITエンジニアとしてはスキルが低いキャリアになってしまうことがあります。
社内回線調整を例に挙げると提携業務には下記があります。
- 関係部署とのスケジュール調整
- ベンダーとの要件・スケジュール調整
- 資料作成
- 稟議書を回す
- ネットワーク設定の確認
- 設定の投入
仕事を分解してみると一つ一つは、単純な作業ですしエンジニアとして活動する部分もありますが、同じ活動を年中行っている場合は新しい要素が少なくスキルアップにつながらないことが多々あります。
もし「ITエンジニアトシテスキルを付けたい」というような上昇志向が強い方は社内SEはやめておいた方が賢明です。
成長していない自分と職場に嫌気がさし、遅かれ早かれ退職することになります。
実際に入社初日に「この職場無駄が多すぎません?」と言った上昇意欲が高い28才男性のエンジニアは半年以内に退職していきました。
このように社内SEはスキルアップが見込めないためやめとけと言われることがあります。
社内SEをやめておいたほうがいい理由3:やりがいが見出しにくい
社内SEは仕事を頑張っても周囲から評価されにくく、やりがいが見出しにくい面があるため社内SEやめとけと言われることがあります。
例えば社内のシステムやネットワークを普通に使うために下記のような保守業務が必要で難易度が高く強いプレッシャーを受けることがありますが、成功して当然でだれからも評価されないケースが多々あります。
- 社内回線の調整
- PCキッティング(初期設定)
- 使用ソフトの選定
- HP更新・保守
- 社内システム仕様の変更
- セキュリティパッチの更新
- Excelでの資料作成
- 不明点のレクチャー(○○わからないから教えて等)
これら1つ1つの負荷は周りが思っている以上に作業内容やプレッシャーが重いのですが無事に完了して当たり前であるため誰からも感謝されません。
ネットワークや基幹システムが止まれば即座に混乱になるため、非常に神経質を使う仕事ですが動いて当たり前です。
そのため「こんなにも大変なことをしているのに認めてくれない」状態になりがちです。
このように社内SEは企業のインフラ的な要素でもあるため動いて当然であり、周囲から感謝や評価がされにくいためやめとけと言われます。¥
社内SEをやめておいたほうがいい理由4:給料が上がらない(安い)
社内SEは間接部門(コストセンター)として扱われていることが多く給与が上がりづらいため辞めとけと言われることがあります。
どれだけ仕事をしても売上・利益といった経営指標に貢献しづらいため経営者から評価されづらく給料が上がりにくいといった特徴があります。
企業の評価制度のため半期や年次で目標設定をすることがあるでしょうが売上・利益に直接影響しない下記のような目標になりがちです。
- 月に1本改善案を提出する
- 業務資格を取得する
- 業務完遂までのリードタイムを現行の10日から8日に短縮する
- 他部署からの依頼に遅れず対応する
- 仕事の9割を一人称でこなせるようになる
目標を達成できたとしても、給料が上がるほど評価されるような内容ではありません。
そういう意味ではSIerやWeb系のエンジニアの方が自分で年収を上げやすい仕事と言えます。
直接部門であるため評価されやすく、スキルアップも狙えます。
特にIT求人はIT特化型の転職エージェントに集中しているためマイナビIT AGENTのような大手系のIT転職エージェントに相談することがおすすめです。
このように社内SEは間接部門として取り扱われやすく年収が上がり辛いためやめとけと言われます。
社内SEを退職した24歳女性の事例
社内SEを辞めておいた方が良かった24歳女性の事例を紹介します。
22才女性で大学新卒で入社し新入社員らしく意気揚々としておりました。
しかし、半年ほどすると他部署からの仕事の丸投げによって明らかに疲弊した顔を見せることが多くなりました。
社内SEの部署には、ITに詳しくない方から面倒くさい仕事や無茶な仕事が多く依頼されます。
その際、仕事ができる上司なら案件を整理して部下に任せますがそうでない場合は案件をそのまま部下に指示します。
上司「このメールのCCに入れておいたから、あとよろしく!」といった感じです。
部下(仕事を任せられる側)からすると、自分だけでは何一つできない上に、仕事慣れしておらず、場当たり的に動くことしかできません。
このような仕事が1週間に1本くらいの割合で降ってきます。
結果、彼女は精神的に参り、2年で退職してしまいました。
社内SEは本当にやめたほうがいいのか?
社内SEはやめたほうがいいかというと完全にそうではありません。
社内SEにはメリットもあります。
先述したデメリットと天秤にかけて社内SEをやめるべきか判断していただければと思います。
メリット1:社内SEであれば定時出社・定時退社がしやすい
社内SEはほぼ毎日、定時出社・定時退社が可能です。
定時退社できる理由は三つあります。
- 理由1:社内対応が業務のメインのため
- 理由2:作業時間に余裕のあるため
- 理由3:作業に前例があるため作業時間が事前に分かるため
この3つの理由から、作業を自分で組み立てることができ無理のない作業スケジュールを組むことが可能です。
そのため、作業を明日に残したり、余裕のあるスケジュールを自分で組んだりして定時出社・定時退社することが可能です。
いわゆる9時〜5時です。
システムトラブルや夜間監視の運用業務がなければ土日出勤・残業・深夜勤務に働く理由はありません。
プライベートに時間を割きたい方に適した仕事だと言えるでしょう。
メリット2:社内SEの職場は穏やかな人が多め
社内SEの職場では、穏やかな人が多いです。
そのため、人間関係に悩むことは少ないと言えるでしょう。
筆者は2社で社内SEとして勤務し、いずれの職場でも温和な人が多かったです。
穏やかな人が多くなる理由は時間的余裕があるためです。
そのため、職場の雰囲気に染まり落ち着いた雰囲気の人が多くなる傾向にあります。
公務員的な感じで目の前のことを淡々とこなす方が多いです。
落ち着いた人間関係の中で働きたい人には適した職場です。
メリット3:社内SEであれば安定して長く働きやすい
社内SEの職場は、作業を覚えてしまえばあとはルーティンや覚えたことの応用で何とかなるケースが多いです。
業務習熟したあとは安定して働くことができます。
スキルアップはしにくい反面、「仕事でやりがいは不要、やりたいことはプライベートでやります」という方にはおすすめです。
社内SEへ転職する方法
もし社内SEにチャレンジするためには次の3ステップでの転職がおすすめです。
- 強みを見つける
- エージェントに紹介してもらう
- 面接をこなす
実際に私も次の3ステップで社内SEへ転職しました。
この3ステップをおすすめする理由は、目的意識を保ったまま転職活動をすすめることができるからです。
目的意識とは下記のような自分が心の中で思っている本音のことです。
- 楽な職場ではたきたい
- まったり9時〜17時
- ルーティンワークメインがいい
目的意識を忘れてしまうと「こんなはずではなかった」ということになりかねません。
そのため目的意識を保ちながら転職活動を進めることができる3ステップを紹介します。
STEP1:強みを見つける
強みを見つけることが重要な理由は「強みを認識しておくだけで転職活動がぐんと下がる」からです。
社内SE転職はありとあらゆることが強みになります。
具体的には下記のようなことがスキルとなり得ます。
- Excel(マクロ・VBA構築)
- プログラミング
- システム構築
- ネットワーク・サーバスキル
- 営業力(調整業務も多いため重宝される)
- プロジェクトマネジメント経験
- フットワークが軽い(転勤どこでもOK等)
社内SEを目指される方は、ぜひ自身のスキルを棚卸してみましょう。
STEP2:エージェントに登録し、紹介してもらう
転職エージェントに登録して、希望の職場を狙い撃ちしましょう。
そのために本音の志望動機を明確にすることが必要です。
「楽をしたい」「9時〜5時がいい」「上昇志向なくまったり働きたいのか」等
自分の中での志望動機を明確にしましょう。
そして、本音の志望動機を転職エージェントに伝え、希望に沿う職場を紹介してもらいましょう。
狙い目は、大手企業の子会社の社内SEです。
理由は、仕事がパターン化されて降ってくるケースが多く丸投げになりづらいからです。
また、福利厚生費も親会社にならっており何かとメリットが大きいです。
大手企業は知名度の高い転職エージェントを利用する傾向にあるためマイナビIT AGENTといった大手の転職エージェントを利用することで高待遇の求人を見つけることができるでしょう。
ただし、非公開求人が中心のため登録しなければ求人を見ることもできないためご注意ください。
STEP3:企業に応募する
企業へエントリーし内定獲得へつなげましょう。
私が社内SEへ転職時にエージェントに確認した時の内定の割合は下記とのことでした。
- 50社にエントリーし書類選考を通過して面接に進む件数は10社弱
- 10社弱の面接を受け内定が出る件数は2〜3社
実際に私が私が社内SEへ転職した時の応募数と内定数は下記の通りです。
- エントリーした企業数:48社
- 面接に進んだ企業数:8社
- 内定を頂いた企業数:3社
自己PRを整理し50社ほどエントリーすることにより社内SE職の内定をもらうことが可能となるでしょう。
ぜひ参考にしてください。
まとめ
社内SEはやめとけと聞き不安に感じる方もいるでしょうが、社内SE自体がまずい訳ではありません。
なぜなら社内SEは企業によって仕事内容が全く異なるためです。
社内SEが1人しかいない企業の場合は経営者が無理難題の指示が毎日のようにくるでしょうが大手企業になると複数名おり、計画的に仕事を進められます。
ですが、定型作業が中心となってしまいスキルアップしづらく社内SEからの転職も厳しくなるでしょう。
このように求人によってまったく変わってしまうため社内SEの仕事内容に興味を持った方は年収だけではなく企業風土や上司、社内の評価制度に着目して求人をチェックしてみましょう。
特にITエンジニアは人材不足であるためITに特化したマイナビIT AGENTのような転職エージェントを利用することで手厚くサポートを受けることができるため頼ることがおすすめです。
そこで疑問や不安を相談して進路を決めていくことがより良い選択となるでしょう。