SIerは炎上プロジェクトによる残業など疲弊する要素が多く定年まで働き続ける自信が無くなり転職に悩む方も多いのではないでしょうか?
筆者もSIerからWeb系に転職しましたが、当時はSIerからの転職先はどこが良いか分からず随分と悩みました。
実はSIerからの転職先は下記に分類することで網羅できます。
- 業界:同業界/異業界
- 職種:同職種/移植種
このように分類した結果のSIerからの転職先は下図となります。
この記事ではSIerの転職先を全て網羅し、特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。
SIerから転職を検討している人はぜひチェックしてください。
目次で流し読み
SIerからの転職先は10種
SIerから転職する場合、以下の転職先が挙げられます。
大手SIerからユーザー系、営業、コンサルなどがありますが、それぞれのおすすめ度とメリット・デメリット、それぞれに強いサービスをご紹介していきます
転職先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
大手SIer | マネジメントスキルが身につく | 開発に関わることができない |
中堅Sier | マネジメントと技術の両方に関わることができる | 大手に比べると年収が低い |
ユーザー系Sier | 仕事が安定している | 仕事の幅が限定される |
SI営業 | 技術に裏付けされた営業は内外に信頼されやすい | 顧客とSEの板挟みになることが多い |
ITコンサル | 経営課題の解決に関わることができる | 能力面でのハードルが高い |
社内SE | ワークライフバランスを確保しやすい | スキルアップは望めない |
Web系 | 1つのプロダクトに長く関われる。ビジネスセンスがつく | 企業の当たり外れが大きい |
フリーランスエンジニア | 時間や場所に対する制約が少ない | 安定した売上を確保することが難しい |
外資系のIT企業 | 高待遇、高年収を期待できる | 成果を出せなければ解雇になる可能性が高い |
その他(異業種・異職種) | 選択肢が多い | これまでの経験・スキルが活かせずリスクが高い |
少しでも興味を持ちましたら考えこみ過ぎずに情報を収集してみることがおすすめです。
疑問や気になるポイントが次の仕事選びの大切な価値観のヒントとなるからです。
その価値観を転職エージェントなどにぶつけることで新しい選択肢が見える方も多くいます。
SIerから大手SIerの転職する
大手SIerは大規模プロジェクトの元請けとして、非常に大きなシステム開発に関わる機会が多くなります。
政府主導のシステム、銀行、金融の社会インフラシステムなど、直接的に世の中に貢献できる仕事が多いのが特徴です。
大手SIerはプロジェクトの元請け企業となることが多く、そこから中小SIerに外部委託、いわゆる下請けに出します。
そのため、大手SIerというのは下請け企業のSEをまとめる、いわゆる管理業務がメインになることがほとんどです。
要件定義、設計など上流工程は自分で行いますが、開発やテストといった部分はスケジュール管理に回ります。
よりマネジメントスキルを高められるのが特徴といえるでしょう。
メリット
- 上流工程に関わることができる
- マネジメントスキルを高められる
- 年収、福利厚生などがしっかりしている
デメリット
- 実質的な開発スキル(プログラミング)がつかない
- 年功序列の企業が多く、実力があっても認められにくい
- 独自の文化で育つので、他企業に転職しにくくなる
SIerからユーザー系SIerへ転職する
ユーザー系SIerはもともと一般企業(電力、通信、物流、メーカーなど)の情報システム部門が切り離されてシステム開発を請け負うようになった企業です。
外部からの受注もありますが、親会社からの仕事もあるため、比較的仕事が安定しているのが特徴です。
親会社からのシステム開発、保守・運用というのが主な業務内容になります。
内部の人間同士の仕事になるので仕事が比較的スムーズに進みやすく、仕事内容も安定する傾向があります。
プロジェクトとしては上流工程からしっかり関われるので、システム開発のスキルをしっかり学びながら管理者として成長していくことができるでしょう。
メリット
- 親会社から仕事が発生するので安定・継続な仕事がある
- 自社開発が多いので、常駐したりせずに腰を据えて開発できる
- 親会社が大きいので不況になっても経営が安定している
デメリット
- 仕事内容が親会社関連のものが多い
- 似たような仕事が多く、仕事の幅が広がりにくい
- 社長や取締役が親会社から出向していることも多く会社として硬直していることが多い
SIerからSI営業へ転職する
SI営業はシステム開発を請け負うために企業に対して営業活動を行います。
企業の経営課題や現場の課題を把握し、SEと共に改善提案を行う仕事です。
所属企業によっては異動することも可能でしょう。
SI営業は仕事の受注・獲得がメインの業務になります。
そのためには、自社の開発能力や強みなどを把握し、お客さんに提案するスキルが求められます。
システム開発案件は単価が非常に高いため、1案件で数億のお金が動くことも珍しくありません。
現場が対応できるレベルで、適切な納期と予算を引き出せるかができる営業の分かれ目となるでしょう。
一営業としてキャリアをまっとうする人もいますが、そのまま経営企画、コンサルタントに転身する人も少なくありません。
メリット
- コミュニケーション能力、交渉術が身につく
- 売上に貢献すればインセンティブも期待できる
- 営業スキルは汎用性が高く、ほかの業界に転職しやすい
デメリット
- 成績が自身の評価に直結する
- 売るためのスキルを磨く必要がある
SIerからITコンサルへ転職する
エンジニアとしても最上流の工程をこなすITコンサルタント。
仕事内容もほかのエンジニアと比べると特殊なものになってきます。
IT系コンサルティングファームといってもピンと来ない人もいると思いますが、アクセンチュア、野村総研、IBMなどが該当する企業です。
これらの企業はシステムをどのように運用するか、どのようなシステムを導入すれば売上、業務を改善できるかということを提案する超上流工程を行っています。
そのため、企業を分析する能力、ソリューションのプレゼンテーション能力、システムに関する幅広い知識を求められることになります。
ゆくゆくは複数の部下を束ねるマネージャー職にステップアップしていくのが通常です。
大手SIerであれば転職せずともキャリアパスの選択肢となっている場合もあります。
メリット
- 超上流工程に関われる
- 大幅な年収アップが期待できる
- 分析、提案からシステム開発といった総合的なビジネススキルが身につく
デメリット
- 激務になることが多く、ワークライフバランスの確保が難しくなる
- 能力面で求められるハードルが高い
SIerから社内SEへ転職する
一般企業の情報システム部門で働くSEを社内SEと呼びます。
社内での調整のため、無理な仕事を求められず残業が少ないのが特徴です。
その働き方から社内SEはSEの中でも人気のある転職先となっています。
社内SEというのは自社のITインフラを整えるのが仕事ですので、基本的にクライアントと仕事をするということがありません。
そのため残業時間が少ないというのが大きな特徴です。
クライアントから急な仕様変更もなければ、無理なスケジュールで開発する必要もないので、基本的には定時退社が期待できる職種なのです。
メリット
- 残業が少ない
- 1つの企業の情報システムにずっと関われる
- 経営戦略や業務改善といった企業運営に関われる
デメリット
- 使えるスキルが広がらない
- 企業内で「パソコンが詳しい人=便利屋」になってしまう可能性もある
もし、「社内SEって具体的に何するかイメージつかいなぁ」という方は「社内SE転職は難しい?理由や転職しやすい年齢を解説」も必ずチェックしてください。
社内SEの仕事内容について解説しています。
一般的に楽なイメージの社内SEですが、デメリットもかなりあります。
企業によって業務が全く違ったり、再転職するときに市場価値が低くなりがちで転職できなかったりします。
積極的に「社内SEになってこんなことをしたい!」という方であれば良いと思いますが、「楽だから社内SEがいい」という理由の方は絶対にご一読してください。
SIerからWeb系へ転職する
Web系はどんどん新しいビジネスモデルが出てきており、一番ホットな業界ともいえるでしょう。
Web系の仕事はSIerとは違い、システムで収益を上げることを求められるので、よりトータルなビジネス能力を求められる仕事です。
開発だけでなくマーケティング、営業、ビジネスモデル、競合の動向を把握する必要があります。
そのかわり、サービスが売れたときの達成感は大きなものがあるでしょう。
キャリアパスとしては開発を現役でし続ける方やエンジニア組織のマネジメントが多い傾向です。
メリット
- 新しい技術やツールをどんどん吸収できる
- 企画やマーケティングに関われる
- 時間や場所、服装などが自由な働き方の企業が多い
デメリット
- 流行る技術の見極めが難しい
- 技術力がないと置いていかれる
- 専門性を高めていかないと市場価値が上がらない
SEからWEB系への転職を検討している方は非常に多いのではないでしょうか?
実は筆者もSEからWEB系(ベンチャー)に転職するとき、非常に情報収集に困りました。
「どれくらいSIer出身の自分が通用するのだろうか?」「キャリアパスはどうなるのだろうか?」「どんなデメリットがあるのだろうか?」
などと、リアルな情報を知りたい方は「SIerからWEB系に転職して7年経ったので比較してみた」をご覧ください。
設計・実装をしているようなSEであればWEB系でも活躍できるでしょう。
SIerとは価値観が真逆のため、非常に視野が広くなり勉強になります。
一方で合わない人もいます。このようなことをまとめていますのでWEB系への転職を検討している人は一読してください。
SIerの会社員からフリーランスエンジニアへ転身する
1つの企業に属さずに自由に働くフリーランスエンジニア。
その働き方に大きな魅力を感じている人も多いでしょう。
やることは一般的なエンジニアと変わりませんが、外部委託という形で働きます。
小さな機能を部分的に任されて自宅開発したり、企業に常駐しながら働いたり、そのワークスタイルに決まりはありません。
大企業から仕事を受ける場合はセキュリティも厳重になるので、自宅で開発するということは難しいかもしれませんが、個人や中小企業からの仕事であれば場所を選ばずに働くということも夢ではないでしょう。
メリット
- 自分の好きな仕事が選べる
- 自分の好きな分野に特化できる
- 頑張った分だけ収入アップが期待できる
デメリット
- 営業・業務・事務などすべてを自分でこなす必要がある
- 能力がなければ稼げない
もし
「フリーランスはゆくゆく考えたい」ということでしたら「フリーランスエンジニアになって後悔をしないための6つの備え」も必ずチェックしておいて下さい。
フリーランスにもデメリットはありますので、独立後に「しまった。毎日、孤独だ・・・」なんて理由でサラリーマンに戻る方もいます。
また、信用が無くなるため、クレジットカードが作れなかったり住宅ローンが組めなかったりします。
新幹線やETC、ネット通販などクレカが当たり前になっていますので、事前に作っておくことがおすすめです。
詳細はこちらにまとめています。
SIerから外資系IT企業へ転職する
世界的に有名な大企業が日本法人を作ってそこでシステム開発をしていることがあります。
外資系IT企業すべてが大企業というわけではありませんが、日本に進出してくるだけあってある程度大きな会社であることが多いです。
外資系は技術的に最先端を行くアメリカの企業が多く、IoT、AI(人工知能)、ビッグデータなどを活用する技術に特化しているケースも珍しくありません。
海外の拠点のチームと連携しながら仕事を進めていくというケースも多く、業務で英語を使うことは当たり前となっています。
国際的に活躍することができるのは大きな魅力といえるでしょう。
また、外資系は日本企業のように係長、課長、部長というような階級があまり存在しません。
中間層が多くそれをまとめるマネージャーがいる程度になっています。
メリット
- 年収アップが見込める
- 世界規模の仕事に関われる
デメリット
- 英語を話せないと仕事にならない
- 日本企業とは異なる社風に苦労する可能性がある
SIerから異業種かつ異職種へ転職する
IT系以外のまったく違う業界、職種への転職も選択肢の1つとなります。
これまでとは違う、まったく新しい仕事は大きなチャレンジとなるでしょう。
一度諦めた夢を追いかけてまったく新しい仕事にチャレンジするのも人生です。
ただし、それには大きなリスクが伴うことも忘れてはいけません。
これまで積み上げてきた知識や技術をすべて流用することは難しいですし、完全に新人扱いになるので給料も下がる可能性が高いでしょう。
そのため、周りに早く認められるためにも大きな情熱と野望、覚悟を持って取り組むことが必須となります。
メリット
- 憧れていた夢や仕事にチャレンジできる
- まったく新しい分野で自分の力を試せる
デメリット
- ゼロスタートになるので、これまでのキャリアを活かせない
- 年収が下がる可能性がある
SIerの転職先が見つからない人は情報収集から始めよう
転職というのは情報収集が基本です。
どういう企業が、どういう人材を求めているのか、自分はその人材にマッチしているのか、自分のどこをアピールするべきかを分析する必要があります。
独自に情報を集めるのも悪くありませんが、非常に効率が悪いです。
そういうときは転職エージェントを利用することをおすすめします。
求人サイトを使って自分で情報を集めるのは大変ですが、転職エージェントならコンサルタントがどんどん情報を持ってきてくれるので転職活動を優位に進めることができます。
求人選びから企業選びの軸を理解し自己分析する
いまではリクナビやマイナビなど転職サイトが乱立してします。
求人情報を見るときに入れる地域や年齢、職種などの絞り込み条件はもちろんのこと、求人を見送るときのポイントも意識してみましょう。
無意識に会社規模や平均年齢、待遇などの条件で企業選びをしていることが分かります。
このように求人サイトはもちろん、転職エージェントに企業を紹介していただき、企業選び軸を知ることから始めましょう。
企業選びの軸を知ることで自分自身の理解も深まります。
自己分析が深くできている人ほど転職は成功しやすい傾向です。
ぜひたくさんの情報に触れ、無意識にしている判断を理解しましょう。
市場価値が上がるスキル・経験をヒアリングする
企業がどのような人材を求めているのか、どういうスキルや経験があると評価されるのか、ということは独力で情報収集しにくい部分です。
転職エージェントでは、どのような人材が求められているかを知っているため、「あなたにどんなスキル・経験があればより市場価値の高い案件を紹介できるか」が分かっています。
転職する・しないに関係なく、相談することで市場価値の高い人物像が分かりますので、情報収集は日頃から行いましょう。
理想な企業との出会いは偶然!確率を増やしておく
星の数ほどある企業から理想的な企業と出会うには運も必要です。
採用が決まればポストは埋まり、退職者がでない限り募集されないこともあります。
転職したいときに希望する最適なポストがあるとは限りません。
そのため、転職を少しでも検討する可能性があれば必ず情報収集をしておきましょう。
意外にも企業からヘッドハンティングしてもらえるケースも少なくありません。
すべては「タイミング」となりますので、情報収集だけは日頃から行っておきましょう。
ここでよく受ける質問は「どの転職エージェントがいいの?」という内容です。
そこで当サイトで評判の良い転職エージェントを紹介していきます。
転職が進まない人がするべき3つ対策
- 求人選びから企業選びの軸を理解し自己分析をする
- 市場価値が上がるスキル・経験をヒアリングする
- 理想の企業と出会える確立を少しでも増やしておく
SIerの転職先が分からない方におすすめの相談先
SIerからの転職先を相談したい方はITに特化した転職エージェントに相談することがおすすめです。
スキルやこれまでの経歴を理解した上で、その強みを活かせる転職先を提案してもらえるからです。
特に、IT系の人材は不足しておりIT業界だけではなく幅広い業界から求人が出ておりIT転職エージェントに集まっています。
IT業界以外に転職した方の事例も多く保有しているため情報収集だけでもしておくことで、選択肢が増えるでしょう。
ここではITに特化したおすすめの転職エージェントを紹介していきます。
マイナビIT AGENT
マイナビエージェントは、大手転職サイトのマイナビが運営する転職エージェントです。
大手ということもあり、転職求人数は非常に多いです。
そして、マイナビIT AGENTはその中でもIT業界に特化したサービスとなっています。
IT業界というのは専門用語が多く、あまり知識のないコンサルタントに当たってしまうと、企業とのミスマッチも起こってしまうのですが、専門サービスにすることで業界知識も豊富なコンサルタントが担当してくれるのが強みです。
転職するのであればマイナビIT AGENTに登録しておけば間違いはないでしょう。
- 優良求人の大半は非公開求人!
トップクラスの求人数と国内最大級の実績 - 関東と関西に圧倒的な強み!大手からベンチャーまで
求人票にはない好条件をGET! - IT専門!キャリアアドバイザーはIT業界経験者!
転職の検討段階でも経験と事例から納得サポート!
レバテックキャリア
元からIT業界に特化した転職エージェントとして有名なのがレバテックキャリアです。
年間で3,000回もの企業訪問を行い、現場の情報を足で集めているだけのことがあり、内情をしっかり把握して提案してくれます。
そのため、転職希望者の要望をしっかりと汲み取って満足度の高い転職を成功させてくれると評判のエージェントです。
- 年3,000以上の企業訪問から濃い情報を保有!優良企業やベンチャー希望者におすすめ!
- 年収などの待遇も交渉!年収320万円アップの事例もあり!
- エンジニア経験の有無・経験したことのある言語の記載で非公開の高待遇求人が優先!
TechClipsエージェント
もし、ある程度の技術と経験を持っているのであればTechClipsエージェントがおすすめです。
高収入求人を専門に扱っているエージェントで、求人全体の82%が年収500万円以上という案件を取り扱っています。
ステップアップを狙うのであればぜひ登録してみてください。
- SI業界(SIer・SES)からWeb系・ITコンサルの転職実績多数!
- 大手転職会社にはない現役エンジニアによる親身なサポートでキャリアアップをサポート
- エリアは首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)に特化!
まとめ
SIerといってもさまざまなタイプの企業があります。
まずは、自分のやりたいこと、適性を見極めながら企業を選定してみましょう。
また、転職は大きなエネルギーを必要とします。
独力で頑張るよりも、たくさんの多くの企業と出会うため、また自分の強みを客観的に確認するために転職エージェントに登録することをおすすめします。
スムーズに転職が進んでいくのでモチベーションも保ちやすいはずですよ。
よくある質問と回答
Sierから転職するタイミングはいつがいい?
転職するタイミングとしては仕事を続けていく中で仕事内容が3年くらい変わらなくなってきたら考え始めても用意でしょう。
また20代半ば・30代前後・30代後半がよくある転職タイミングですが、それぞれ求められるスキルや条件が変わってくるため年齢に応じたアピールを心がけましょう。
Sierからのおすすめの転職先は?
Sierから転職する際の一番おすすめの転職先は大手Sierです。
大手Sierに行けば、さらに大きなたいロジェクトに関われる上に、マネジメントスキルを身に付けることができます。
もちろんおすすめの異職種もありますが、待遇も上がる傾向にあるため、目的がなく悩んでいる方にもおすすめです。